ちょっと光って見えにくのですが「尾崎豊 十代の真実」
93年6月発行という事は、彼が亡くなって1年後に出された写真集になる。
尾崎とは、それからさかのぼる事約10年。「街の風景」を初めて聞いた時からのつきあいになる。
当時、中高生の気持ちを代弁している歌詞に共感したのは僕だけではないでしょう。
ファンだったけど、ライブで直接本人を見たのは1回だけ。
この写真集見ているうちに、その1回の事を思い出していた。
僕は上京するまで熊本に住んでいた。
その熊本で、僕が高校2年か3年の時に、阿蘇山のふもとで、今の野外フェスのはしりともいえる大規模の野外ライブ「BEAT CHILD」が開催された。
集まった観客8万人。(笑)それもそのはず。
参加した主なアーティストは、THE BLUE HEARTS・RED WARRIORS ・HOUND DOG・THE STREET SLIDERS・佐野元春・渡辺美里・BOØWY・etc・・・。
その中に尾崎豊も名を連ねていた。
最近このライブの映画が上映されたのだが、その中では、土砂降りの雨の中、雨に負けない観客の様子が撮影されていた。
しかし、それはあくまでステージに近いお客さんのみ。
ほとんどのお客さんは、野外の急斜面の中、上空から降る激しい雨と斜面の上部から流れてくる泥水に座ることもできずに、ただ立ち尽くしながら震えている地獄のような状況が、あちらこちらで見られ、これだけ豪華なアーティストが出ているにも関わらず、とくに目的以外のアーティストの出番のときは、ただ立ちつくし、時間が過ぎるのを待っているような感じだった。
うすい記憶ではあるが、途中のレッドウォーリアーズと最後の佐野元春以外、ず~っと雨、しかも豪雨だったような気がする。
もちろん尾崎の出番のときも土砂降り。
いっしょに行った友達の多くは、BOØWYを見に来た人ばかり。
尾崎のファンは自分だけ。
だから、自分の周りでこぶしを振り上げているのは数える程度。
そんな中でも「おざき~!」と絶叫してると、周りに人が集まってきて、自分の周りでちょっとした盛り上がりができたのがうれしかった。
今でも彼がタンクトップとジーパンで、びしょ濡れになりながら歌っているのが忘れられない。
それから数年後、護国寺でお別れするとき、「一生忘れません。」と約束したことは、今もちゃんと守っています。